2026/07/31 (更新日:2026/07/31)
就寝時の寝返りで痛む変形性股関節症|福岡県朝倉市杷木町からも来院|田主丸整骨院整体院
就寝中に寝返りを打つたびに股関節が痛んで目が覚める——そのような夜間痛にお悩みの方は、変形性股関節症が関係している可能性があります。変形性股関節症は、股関節の軟骨が少しずつすり減ることで骨同士が接触しやすくなり、痛みや動きの制限が生じる疾患です。日本整形外科学会の報告によると、国内での推計患者数は約1,000万人以上とされており、決して珍しい状態ではありません。この記事では、夜間痛や睡眠時股関節痛の原因から、ご自身でできるセルフチェック・セルフケアまでを順序立てて解説します。
変形性股関節症とはどんな状態か——夜間痛が起きる理由
変形性股関節症は、股関節を覆う関節軟骨が摩耗・変性することで、関節周囲に炎症が起き、骨棘(骨のとげ)が形成される慢性的な関節疾患です。睡眠時股関節痛が生じる主な理由は、横向きや仰向けなど特定の姿勢が長時間続くことで関節内圧が変化し、炎症を起こした滑膜(関節を包む膜)が刺激されるためです。
股関節の軟骨には血管がなく、栄養は関節液の「染み込み」によって供給されます。軟骨がすり減ると関節液の分布が偏り、夜間のように長時間同じ姿勢が続くと関節内に圧力が蓄積しやすくなります。さらに、就寝中は筋肉の緊張が緩むため、日中は筋肉でカバーしていた関節への負担が軽減されない分、骨・軟骨・関節包(関節を包む袋状の組織)への直接的な刺激が表面化しやすくなります。これが寝返りのたびに痛みが走る仕組みです。
変形性股関節症の主な原因は以下の3つに大別されます。
1. 一次性(加齢・体重負荷)
加齢に伴う軟骨の水分量低下と、体重による慢性的な圧迫が組み合わさることで進行します。肥満(BMI 25以上)は股関節への荷重を約3〜5倍に増加させるとされています。
2. 二次性(股関節形成不全など)
先天的または発育期の股関節形成不全(臼蓋形成不全:骨盤側の受け皿が浅い状態)を背景に持つケースが日本人女性に多く、欧米と比較して二次性の割合が高いことが知られています。
3. 筋力低下と姿勢の崩れ
股関節周囲の筋肉(中殿筋・小殿筋など)が弱化すると、歩行時に骨盤が横に傾く「トレンデレンブルク徴候」が現れ、関節への偏った荷重が積み重なります。

時間帯・動作・部位で分かる——痛みの出方と考えられる状態
夜間痛や睡眠時股関節痛の性質を整理することで、状態の重さや原因の傾向をある程度推察できます。ただし、最終的な診断は医療機関で行う必要があります。
| 痛みの特徴 | 考えられる状態・理由 |
|---|---|
| 朝起きたときだけ痛み、30分以内に和らぐ | 初期〜中期の変形性股関節症。長時間の安静で関節液の循環が滞り、動き始めに軟骨への圧が集中するため |
| 夕方〜夜にかけて痛みが強まる | 日中の荷重による炎症が蓄積したため。中期以降で関節内炎症が持続している状態 |
| 寝返りのたびに目が覚める(夜間痛) | 関節内圧の変化と滑膜炎の刺激。進行期で安静時痛が出やすい |
| 歩行開始時だけ痛み、数歩で軽減 | 初期。動き始めに軟骨への圧力が集中するが、関節液が広がると摩擦が減るため |
| 階段の降り(下り)で強く痛む | 降り動作では大腿四頭筋が「遠心性収縮」(筋肉が伸びながら力を出す状態)を行い、股関節への荷重が体重の約6〜8倍になるとされるため |
| 片側だけ痛む | 二次性変形性股関節症や骨壊死(大腿骨頭壊死)の可能性がある |
| 両側に痛みがある | 一次性(加齢・肥満)または関節リウマチなどの全身性疾患との鑑別が必要 |
| 鼠径部(足の付け根)から前もも・膝の内側にかけて痛む | 股関節由来の関連痛(放散痛)の典型的な範囲 |

朝のこわばりが30分以上続く場合は、関節リウマチなど別の疾患の可能性もあるため、整形外科での検査をおすすめします。
セルフチェック——股関節の動きを自分で確認する方法
以下の2つの確認方法で、股関節の柔軟性や痛みの有無をおおまかに把握できます。ただし、これらはあくまで参考であり、確定診断は医師によるX線検査などが必要です。
確認方法1:パトリックテスト(FABER テスト)
整形外科でも用いられる股関節の可動域確認テストです。
手順
- 椅子または床に座り、片方の足首を反対側の膝の上に乗せる(アグラをかくような姿勢)。
- 乗せた膝を、ゆっくりと床方向へ押し下げる(無理に押さない)。
- 反対側も同様に行う。
判定の目安
膝が床(または椅子の座面)と平行になるまで下がらない、または鼠径部・股関節外側に痛みや突っかかりを感じる場合は、股関節の可動域制限がある可能性があります。左右で差が大きい場合も注意が必要です。
確認方法2:片脚立ちテスト(トレンデレンブルク徴候の自己確認)
手順
- 壁に指先を軽く触れ、片脚立ちになる(壁にはバランスを取るだけで体重はかけない)。
- そのまま5秒間保持し、骨盤の傾きを確認する。左右各3回行う。
- 反対側も同様に行う。
判定の目安
浮かせた側の骨盤が下がる、または立っている側の腰が横に大きく傾く場合は、支持側の股関節外転筋(中殿筋など)の筋力低下が疑われます。5秒の保持中に股関節や鼠径部に痛みを感じる場合も、専門家への相談をおすすめします。
セルフケア——夜間痛を和らげるための3つのアプローチ
セルフケアは症状の進行を遅らせたり、日常生活の質の改善が期待できるものです。痛みが強い急性期(炎症が強い時期)は無理に行わず、まず安静を優先してください。
アプローチ1:腸腰筋のストレッチで股関節前面の緊張を緩める
腸腰筋(腸骨筋+大腰筋の総称)が硬くなると、股関節を前方へ引っ張り続けるため関節内の圧迫が増します。就寝前に行うと入眠時の痛みの軽減が期待できます。
やり方
- 片脚を前に出し、膝を曲げてランジ姿勢をとる(後ろ足の膝を床につく)。
- 上体をまっすぐに保ちながら、後ろ足側の鼠径部をゆっくりと前方へ押し出す。
- 鼠径部から太ももの前面に伸びを感じたところで30秒キープ。
- 左右各2セット、1日2回(就寝前・入浴後が目安)。
痛みが出る場合は深さを浅くし、決して無理に押し込まないでください。
アプローチ2:クラムシェルエクササイズで股関節外転筋を強化する
中殿筋などの股関節外転筋(足を外側に開く筋肉群)を強化することで、歩行時の骨盤の安定性が高まり、股関節への偏った荷重を軽減することが期待できます。
やり方
- 横向きに寝て、膝を軽く曲げ、足首を揃える(膝と股関節をそれぞれ約45°曲げる)。
- 足首を離さずに、上側の膝だけをゆっくりと天井方向へ開く(貝が開くイメージ)。
- 最大に開いたところで2秒キープし、ゆっくり元に戻す。
- 左右各15回×2セット、1日1回から始める。
股関節や鼠径部に痛みが出る場合は中止し、可動域を小さくして再挑戦してください。
アプローチ3:睡眠姿勢の工夫で夜間の股関節への圧を分散する
夜間痛・睡眠時股関節痛には、姿勢の工夫が直接的に効果を発揮することがあります。
やり方
- 横向きで寝る場合: 痛む側を上にして、膝と膝の間にクッションまたはタオルを丸めたものを挟む。股関節が内転(内側に倒れる)するのを防ぎ、関節への横方向の圧力を軽減できます。
- 仰向けで寝る場合: 膝の下に折りたたんだバスタオルを置き、股関節が完全に伸びきらないように軽く曲げた状態を保つ。股関節を過度に伸展させると関節前面の関節包が引き伸ばされ、夜間痛が強まる場合があります。
就寝前の習慣として継続することで、睡眠の質の改善が期待できます。
やってはいけないこと——症状を悪化させる行動
1. 痛みを我慢して体重をかけ続ける
「動かさなければもったいない」と考え、強い痛みがあるにもかかわらず長時間の歩行や立ち仕事を続けることは避けてください。炎症が活発な状態で荷重をかけ続けると、軟骨の摩耗が加速するリスクがあります。痛みが強い日はできるだけ荷重を減らし、必要に応じてT字杖や歩行補助具の使用を検討してください。
2. 股関節を強く回すストレッチや開脚の強制
「柔らかくしたい」という意図から、痛みをこらえて股関節を大きく回したり、開脚を強引に行ったりするケースがあります。変形性股関節症では関節面がすでに凸凹している場合が多く、強制的な可動域拡大は骨棘同士の接触や関節包の損傷を招くことがあり、夜間痛や炎症が悪化するリスクがあります。
3. 急激な体重増加を放置する
体重が1kg増加するごとに、歩行時の股関節への荷重は約3〜6kg増加するとされています(日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドラインより引用)。短期間での体重増加は関節への負担を急激に増やすため、食事内容の見直しや水中ウォーキングなど荷重の少ない運動で体重管理を心がけることが重要です。
受診の目安——こんな症状は早めに整形外科へ
以下の症状に当てはまる場合は、セルフケアよりも先に整形外科などの医療機関を受診することを強くおすすめします。
- 安静にしていても改善しない強い夜間痛が2週間以上続く
- 突然、股関節に激しい痛みが生じて体重をかけられなくなった
- 38度以上の発熱と股関節の痛みが同時に現れている(化膿性関節炎などの可能性)
- 股関節の痛みとともに、足のしびれや脱力感が強い
- 排尿・排便のコントロールが困難になった(脊髄・神経への影響の可能性)
- 転倒や交通事故など外傷の後から急に痛みが始まった
- 股関節が明らかに変形しているように見える、または脚の長さが左右で大きく違う
これらのサインは、変形性股関節症以外の疾患(大腿骨頭壊死、化膿性関節炎、骨折など)が隠れている可能性があります。自己判断せず、まずはX線検査などを受けることが先決です。
よくある質問
寝返りのたびに股関節が痛むのは変形性股関節症だけが原因ですか?
睡眠時股関節痛の原因は変形性股関節症だけではありません。大腿骨頭壊死(骨の血流障害)、関節リウマチ、滑液包炎(関節周囲の袋状組織の炎症)、腸腰筋の過緊張なども夜間痛を引き起こすことがあります。痛みの部位・経緯・発症速度などをできるだけ詳しく記録し、整形外科で画像検査を受けることが正確な把握への近道です。
変形性股関節症と診断されたら運動は控えた方がいいですか?
痛みが強い急性期は安静が優先されますが、症状が落ち着いている時期は適切な運動が関節周囲筋の維持に役立ちます。日本整形外科学会の診療ガイドラインでも、水中ウォーキングや自転車エルゴメーターなど荷重の少ない有酸素運動が推奨されています。「動いてはいけない」という誤解から運動を完全に避けると、筋力低下が進んで股関節への負担が増すことがあります。
片側の股関節だけ痛い場合、反対側も悪くなりますか?
片側の変形性股関節症が進行すると、庇(かば)う歩行が続くことで反対側の股関節・膝・腰への負担が増え、二次的な問題が生じる可能性があります。両側に症状が広がるかどうかは個人差がありますが、早期にかばい歩きを改善し、筋力バランスを整えることで対側への負担を軽減することが期待できます。気になる変化があれば定期的に整形外科でX線による経過観察を受けることをおすすめします。
セルフケアを続けても夜間痛や睡眠時股関節痛が改善しない場合、あるいは「自分でやっていいのか不安」という場合は、ぜひ田主丸整骨院整体院にご相談ください。福岡県朝倉市杷木町からもご来院いただいており、久留米・田主丸エリアにお住まいの方のお身体のお悩みに寄り添います。
施術を受けた方の感想レビュー
股関節が痛かったので、来院。カウンセリングもきちんとしていただき痛みの原因の説明も丁寧でした。施術後は痛みも軽減で、楽になりました。
くろすけ様
当院より:股関節の痛みでご来院いただき、施術後に楽になられたとのこと、大変嬉しく思います。変形性股関節症をはじめとした股関節の痛みは、関節周囲の筋肉や骨盤のバランスが乱れることで症状が悪化しやすいため、当院では痛みの原因をしっかりお伝えしながら丁寧に施術を行っております。日常生活での姿勢や歩き方なども痛みに影響しますので、気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。引き続き、一緒に症状の改善を目指してまいりましょう。
お身体の不調でお悩みなら
腰痛・肩こり・膝の痛みなど、身体の不調は早めのケアが大切です。当院では一人ひとりの症状に合わせた施術で、日常生活の負担軽減をサポートします。
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