2024/09/02 (更新日:2024/09/07)

手首の外側痛みTFCC損傷かも?症状から治療法湿布の貼る位置まで

手首の痛み

手首の外側痛みTFCC損傷 湿布の貼る位置

手首の外側痛みTFCC損傷かも?

手首の痛みに悩まされている方は多くいらっしゃいます。その原因の一つとして「TFCC損傷」が挙げられます。TFCC損傷とは、手首の小指側にある三角線維軟骨複合体の損傷のことで、様々な症状を引き起こします。本記事では、TFCC損傷について詳しく解説していきます。症状、原因、診断方法、治療法、予防法など、知っておくべき重要な情報を網羅しています。TFCC損傷で悩んでいる方、予防に役立てたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

TFCC損傷とは

TFCC(Triangular Fibrocartilage Complex)とは、手首の小指側にある三角線維軟骨複合体のことを指します。この複合体は手首の安定性を保つ重要な役割を担っており、手首の動きを適切に伝達・分散させる働きがあります。TFCC損傷は、この複合体が何らかの要因で損傷を受けた状態を意味します。

TFCC損傷の構造

TFCC損傷は手首の小指側にある複合的な構造物の損傷です。TFCCは複数の靭帯と軟骨で構成されており、以下のような構造となっています。

  • 三角線維軟骨複合体本体
  • 三角骨手根靭帯
  • 円旋糸骨靭帯
  • 手根月状靭帯
  • 尺側手根伸筋腱鞘

これらの構造がそれぞれ損傷すると、手首の動きに支障をきたし、痛みなどの症状が現れます。特に三角線維軟骨複合体本体の損傷が最も深刻な影響を及ぼすことがわかっています。

TFCC損傷の分類

TFCC損傷は、損傷の程度や部位により以下のように分類されます。

分類 説明
1A 外側から内側へ向かう軟骨下の縦走する線維の損傷
1B TFCC本体の内側部の水平方向の裂傷
1C TFCC本体の外側部の水平方向の裂傷
1D TFCC本体の完全断裂

このように、損傷の範囲によって様々な種類に分けられており、的確な診断が重要となります。

症状

TFCC損傷の主な症状は手首の痛みですが、他にも様々な症状が現れます。ここでは代表的な症状について解説します。

手首の外側の痛み

TFCC損傷によって最も典型的に見られる症状が手首の痛みです。痛みの場所は主に手首の小指側に感じられ、手首を動かすと増悪することが多いです。重症の場合は、手首全体に痛みが広がることもあります。

痛みの原因は、TFCC内の線維や軟骨の損傷によって引き起こされます。損傷部位の炎症や腫れ、または靭帯の断裂が痛みの発生に関係していると考えられています。

腫れ

TFCC損傷に伴い、手首の小指側に腫れが生じることがあります。特に急性期の外傷性のケースでは腫れが目立ちます。腫れは炎症による滲出液の貯留が原因で、触診すると硬結を触れることもあります。

腫れが強いと手首の可動域が制限され、日常生活に支障をきたすことがあります。腫れを早期に抑えることが、症状の改善や後遺症の予防につながります。

手首の可動域制限

TFCC損傷による痛みや腫れから、手首の可動域が制限されることがあります。特に回内外運動の制限が顕著に見られる傾向にあります。また、把持力の低下も合わせて起こりやすい症状です。

可動域制限は日常生活に大きな障害となるため、早期からのリハビリが重要視されます。損傷の程度によっては手術が必要な場合もあります。

原因

TFCC損傷の原因は大きく分けて、外傷と加齢による変性の2つに分類できます。どちらの要因によるものかを見極めることが適切な治療につながります。

外傷

外傷が原因でTFCC損傷を引き起こすケースが多く見られます。代表的な受傷のメカニズムとしては以下のようなものがあります。

  • 手首を捻った際の過度の負荷
  • 転倒時の手での着地
  • スポーツ外傷(特にテニス、バドミントン、野球など手首への負荷が強いスポーツ)
  • 交通事故などの強い外力

外傷に伴う急激な力が加わることで、TFCC内の構造物が損傷を受けます。外傷の程度によって損傷の範囲も異なるため、的確な診断が重要です。

加齢による変性

加齢に伴う関節軟骨の退行性変化も、TFCC損傷の一因となります。加齢とともに軟骨の変性が進行し、靭帯が伸びやすくなることでTFCCへの負担が増大します。それによってTFCCの断裂や損傷が引き起こされるのです。

加齢性TFCC損傷の特徴は、明確な受傷機転がないことです。日常生活での軽い動作であっても、変性の進行に伴いTFCC断裂を生じる可能性があります。年齢とともに増加するリスクと言えます。

診断

TFCC損傷の診断には、医師による問診と身体所見に加え、画像診断が不可欠です。的確な診断を下すことで、適切な治療方針を立てることができます。

問診と身体所見

まずは医師による詳しい問診と手首の観察、触診検査から始まります。外傷の有無や痛みの状況、可動域制限の程度などを把握します。TFCC損傷を疑わせる典型的な所見として、以下のようなものがあげられます。

  • 手根管裂の圧痛
  • 手首の小指側の圧痛
  • 回外・回内運動時の痛み

問診と身体所見から損傷の可能性が高いと判断されれば、画像検査が施行されます。

レントゲン検査

TFCC損傷の画像診断では、まずレントゲン検査が行われます。しかしレントゲンでは軟部組織の損傷は描出できないため、骨の異常や関節の肥厚などの間接所見から総合的に判断する必要があります。

レントゲン検査で明らかな異常が見られない場合でも、TFCC損傷を完全に否定することはできません。その際はさらなる精査が求められます。

MRI検査

現在、TFCC損傷の最も確実な診断方法はMRI検査です。MRIは軟部組織の損傷を直接的に描出できるため、損傷の部位や程度を正確に評価することができます。

MRI検査では断裂の有無、部位、範囲、関節内骨片の存在などが確認できます。画像所見と臨床症状を組み合わせることで、適切な診断が可能となります。

関節鏡検査

一部の症例では関節鏡検査が行われる場合もあります。関節鏡検査では直接TFCCを観察できるため、損傷の詳細な評価が可能です。さらに同時に手術が実施できるメリットもあります。

ただし関節鏡検査は侵襲が大きいため、保存療法で改善が見込めない重症例に限定される傾向にあります。軽症例の診断目的だけでは行われることは少ないでしょう。

治療法

TFCC損傷の治療は、保存療法と手術療法に大別されます。損傷の程度や原因、合併症の有無などを考慮し、最適な治療法が選択されます。

保存療法

保存療法は軽症例や一部の中等度損傷に対して第一選択肢となる治療法です。完治を目指すだけでなく、症状の改善や機能の温存を目的としています。具体的な方法は以下の通りです。

  • 安静と装具による固定
  • 消炎鎮痛剤の投与
  • 物理療法(超音波療法、低周波治療など)
  • リハビリ運動療法

一般的には3〜6週間程度の固定期間を経て、その後リハビリテーションに移行していきます。適切な保存療法と経過観察を行えば、多くの軽症例で症状改善が見込めます。

注射療法

比較的新しい治療法として、関節内や損傷部位への注射療法が行われるようになってきました。有効な注射療法としては以下のようなものがあげられます。

  • ステロイド注射
  • 増殖療法(PRP療法)
  • 幹細胞療法

これらの注射薬剤には抗炎症作用や組織修復促進作用があり、手術を回避できる可能性があります。ただし、確立された治療法ではないため、慎重な対応が求められます。

手術療法

中等度以上の損傷で保存療法が奏功しない場合は、手術が検討されます。TFCC損傷に対する主な手術法は以下の通りです。

手術法 概要
関節鏡手術 TFCC損傷部の修復や切除などを行う低侵襲手術
靭帯再建術 TFCC損傷部にグラフトを移植し、靭帯を再建する手術
尺骨短縮術 尺骨plus varianceに伴うTFCC損傷に対する手術

手術法は損傷の程度や合併症の有無、手術リスクなどを総合的に判断し、決定されます。確実な修復が望める反面、手術リスクや長期の経過観察が必要になるデメリットもあります。

手首の外側痛みTFCC損傷 予防法

TFCC損傷は手首に大きな負担がかかると発症しやすくなります。そのため、日頃から手首への負担を軽減する習慣を心がけることが大切です。

ウォーミングアップとクーリングダウン

スポーツや運動の前後には、必ず十分なウォーミングアップとクーリングダウンを行いましょう。手首の捻り運動や可動域運動を組み入れることで、柔軟性が高まり、手首の負担を軽減できます。

特に冬場は体が冷えがちで、柔軟性が低下しやすくなります。温かいアップから入ることで、怪我の予防につながります。終了後のクーリングダウンも必ず行い、次の運動に備えましょう。

手首へのテーピング・サポーター使用

スポーツや作業の際は、手首へのテーピングやサポーター使用を心がけましょう。適切な固定は手首に過度の負担がかからず、安定した動作が保たれます。テーピングには個人差があり、病院や整骨院で適切な方法を相談するのが賢明です。

特に外傷の既往がある方は、リスクを軽視せず、手首の保護を徹底することが大切です。万が一再発した場合、悪化の恐れもあります。小さな予防が大きな効果をもたらします。

筋力トレーニング

手首の安定性を高めるためには、関連する筋肉を鍛えることが有効です。手首を支える前腕の筋肉群を適度に動かし、筋力アップを図りましょう。重りを使ったトレーニングのほか、ゴムバンドを活用する方法もおすすめです。

手首の可動域運動と併せて行えば、さらに効果が期待できます。無理のない範囲で続けることが大切で、怪我には気をつけましょう。筋力トレーニングには個人差があるため、専門家に相談するのが賢明です。

手首の外側痛みTFCC損傷 湿布の貼る位置

TFCC損傷の痛みや炎症を和らげるために湿布を使用する場合
以下の位置に貼ることが推奨されます。
手首部分を中心に貼る。
痛みが強い部分や炎症が感じられる場所に直接貼ることで、局所的に鎮痛効果を高めることができます。
この情報がTFCC損傷に関する理解の助けになることを願っています。

手首の外側痛みTFCC損傷 湿布の貼る位置

TFCC損傷まとめ

今回はTFCC損傷について、症状、原因、診断、治療、予防法など、幅広く解説してきました。TFCC損傷は比較的見落とされがちな手の外傷・障害ですが、放置すれば重症化する恐れがあり、適切な対処が重要です。日頃から手首への負担を軽減する習慣を心掛けることで、怪我を未然に防ぐことができます。

手首の痛みや可動域制限など、TFCC損傷を疑う症状があれば、早期に医療機関を受診しましょう。初期段階で適切な診断と治療を受けることで、より早期に回復が見込め、後遺症のリスクも抑えられます。TFCC損傷と上手に付き合い、健康的で活動的な生活を送ることができるはずです。

よくある質問

TFCC損傷とはどのような傷害ですか?

TFCC(Triangular Fibrocartilage Complex)とは手首の小指側にある三角線維軟骨複合体のことで、この複合体が損傷を受けた状態を指します。TFCC損傷は手首の安定性を保つ重要な役割を担っており、様々な症状を引き起こす可能性があります。

TFCC損傷の主な症状は何ですか?

TFCC損傷の主な症状は、手首の痛み、腫れ、可動域制限などが挙げられます。特に手首の小指側に痛みを感じ、手首を動かすと増悪することが特徴的です。腫れや可動域制限も日常生活に大きな影響を与えることがあります。

TFCC損傷の原因は何ですか?

TFCC損傷の原因は大きく分けて、外傷と加齢による変性の2つに分類されます。外傷には手首を捻った際の過度の負荷、転倒時の手での着地、スポーツ外傷などが含まれ、一方で加齢に伴う関節軟骨の退行性変化も損傷の一因となります。

TFCC損傷の予防法には何がありますか?

TFCC損傷を予防するには、ウォーミングアップやクーリングダウンの実施、手首へのテーピングやサポーター使用、筋力トレーニングなどが有効です。手首への過度の負担を軽減し、柔軟性や安定性を高めることが大切です。怪我の既往がある場合はさらに注意が必要です。

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