2024/09/02 (更新日:2024/10/21)
腰の痛みで歩けない?「腰部脊柱管狭窄症」の症状・原因・治療法・湿布の貼る位置解説
腰の痛みで歩けない?「腰部脊柱管狭窄症」の
症状・原因・治療法・湿布の貼る位置解説
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く見られる病気で、日常生活に支障をきたす可能性があります。この病気は脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで引き起こされます。腰痛や下肢のしびれ、歩行困難などの症状があり、適切な治療が必要不可欠です。本稿では、腰部脊柱管狭窄症の症状・原因・治療法、そして湿布薬の役割について詳しく解説していきます。
腰部脊柱管狭窄症の症状
腰部脊柱管狭窄症には様々な症状がありますが、主に以下のようなものが挙げられます。
腰痛
この病気の代表的な症状は腰痛です。特に起床時や長時間の座位、歩行時に強い痛みを感じることがあります。痛みの程度は個人差があり、軽度から激しい痛みまであります。
腰痛の原因は、脊柱管内での神経の圧迫にあります。神経が圧迫されると、その支配領域に痛みが生じるのです。腰痛は一過性のものから持続的なものまで様々で、症状の進行に伴って悪化する傾向にあります。
下肢のしびれと痛み
脊柱管内の神経が圧迫されると、その神経の支配領域である下肢にしびれや痛みが生じます。特に歩行時に症状が顕著になり、間欠性跛行(歩いて休んでを繰り返す)という特徴的な歩行パターンを呈することがあります。
下肢の症状は坐骨神経痛に似ていますが、腰部脊柱管狭窄症の場合は両側に症状が出ることが多いのが特徴です。また、しびれや痺れの範囲が広がる傾向にあります。
歩行困難
腰痛や下肢の痛み、しびれが強くなると、歩行が困難になります。長距離の歩行が特に難しくなり、休憩を取らないと歩けなくなってしまいます。
この症状は間欠性跛行と呼ばれ、腰部脊柱管狭窄症の典型的な症状の一つです。歩行時に脊柱管内の神経が強く圧迫されるため、筋力低下や痛みが起こり、歩行障害につながります。
腰部脊柱管狭窄症の原因
腰部脊柱管狭窄症の主な原因は、加齢による脊柱管の狭窄です。具体的には以下のようなものが挙げられます。
椎間板の変性
加齢とともに椎間板が劣化し、脊柱管の空間が狭くなります。椎間板は椎骨と椎骨の間にある靭帯性のクッションで、加齢による水分の減少や亀裂が進行すると、その高さが低くなり、脊柱管が狭くなるのです。
椎間板の変性は、腰部脊柱管狭窄症の最も一般的な原因です。中高年以降に多くみられる現象で、一度変性が始まると進行は避けられません。
骨棘の形成
骨棘とは、椎骨の縁から生え出した骨の突起のことです。これらの骨棘が脊柱管内に突出することで、神経の圧迫を引き起こします。
骨棘は加齢に伴う変化の一つで、特に肥満や過度の負荷がかかると発生しやすくなります。一度できた骨棘は容易に取れないため、外科的な除去が必要になる場合があります。
靭帯の肥厚
脊柱を支える靭帯が、加齢や慢性的な炎症により肥厚し、脊柱管の空間を狭めることがあります。靭帯の肥厚は軟部組織の変化の一種で、徐々に進行するのが特徴です。
靭帯の肥厚は単独で起こることはまれで、通常は椎間板の変性や骨棘の形成と併発します。複数の原因が重なり合うことで、脊柱管の狭窄が進行するのです。
治療法
腰部脊柱管狭窄症の治療法は大きく分けて保存療法と手術療法に分かれます。症状の程度や原因、全身状態などを考慮して、適切な治療法が選択されます。
保存療法
軽症から中等症の場合は、まず保存療法が試みられます。保存療法には以下のようなものがあります。
- 薬物療法(鎮痛剤、抗炎症薬、筋弛緩薬など)
- 理学療法(ストレッチ、温熱療法、マッサージなど)
- 装具療法(コルセットや枕などの使用)
- 注射療法(ブロック注射やステロイド注射)
これらの治療法を組み合わせることで、痛みの軽減や可動域の改善、筋力の維持などが期待できます。しかし、根本的な治療とはなりませんので、症状が改善しない場合は手術療法が検討されます。
手術療法
保存療法で症状の改善が見られない重症例や、神経障害が進行している場合には、手術療法が選択されます。主な手術方法は以下の通りです。
- 除圧術(狭窄部分を広げる手術)
- 固定術(不安定な椎骨を固定する手術)
- 人工椎間板置換術(椎間板を人工物に置き換える手術)
手術の種類は症状や原因、全身状態を総合的に判断して決められます。手術には一定のリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
湿布の役割
鎮痛効果
湿布薬には疼痛を和らげる効果があります。湿布薬に含まれる有効成分が、体内に吸収されることで鎮痛作用を発揮するのです。
鎮痛効果は一時的なものですが、激しい痛みを和らげることで、日常生活の質を高めることができます。湿布薬は内服薬と併用することで、より良好な効果が期待できます。
抗炎症作用
湿布薬の中には、炎症を抑える作用があるものがあります。炎症を抑えることで、痛みの原因そのものに作用することができます。
特に慢性的な痛みには効果的で、長期的な痛みの緩和に役立ちます。抗炎症作用は湿布薬の重要な働きの一つです。
血行促進
湿布薬を貼ると、体表面の血流が促進されます。血流の促進は痺れの改善や、痛みの原因物質の排出に役立ちます。
血行が良くなることで、痛みや痺れがやわらぎ、症状の緩和が期待できるのです。血行促進作用は湿布薬の大きな利点です。
湿布の貼り方
湿布薬を使用する際は、効果的な貼り方が重要になります。以下の場所に貼ることをおすすめします。
- 腰の中央部
- 腰の両サイド
- お尻の上部
痛みの強い部位に重点的に貼りますが、腰の広範囲に貼ることで効果が高まります。ただし、同じ場所に長期間貼り続けるのは避けましょう。足のふとももやふくらはぎ等も痛く湿布を貼ることは無意味ではないですが足の方に出る症状はほとんどが神経症状の為、湿布の効果としては薄くなります。
腰部脊柱管狭窄症の方の私の加療経験
腰部脊柱管狭窄症の患者様は腰痛の症状の中でも重度の方に分類されます。その為加療の期間や回数がその他の腰痛の症状に比べるとかかる傾向にあります。腰部脊柱管狭窄症の方の多くが高齢者の方であることも加療に時間や回数を必要とする原因でもあります。病院さんなどで腰部脊柱管狭窄症と言われた方でも一人一人加療する部位などは異なります。加療を行う事で今までの痛みが10だとしたら半分以下になる患者様も多く見られますので手術の前に一度専門の治療院などで加療を受けることを私は推奨しています。それでも痛みが酷い場合は手術の適応になります。
まとめ
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く見られる病気で、腰痛や下肢の痛み、しびれ、歩行困難などの症状が特徴的です。原因は加齢による椎間板の変性や骨棘の形成などで、脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることが主な要因です。治療法としては保存療法と手術療法がありますが、症状の程度によって適切な方法が選択されます。
湿布薬は腰部脊柱管狭窄症の症状を一時的に和らげる効果があり、鎮痛効果や抗炎症作用、血行促進作用があります。湿布薬は内服薬と組み合わせて使用することで、より良好な結果が得られます。適切な部位への貼り付けが重要で、腰部や下肢の症状に合わせて工夫する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症は生活の質を大きく損なう病気です。早期発見と適切な治療が何よりも重要ですが、湿布薬を上手に活用することで、より良い日常生活を送ることができるでしょう。
よくある質問
腰部脊柱管狭窄症の主な症状は何ですか?
腰痛、下肢のしびれと痛み、歩行困難などが主な症状です。脊柱管が狭くなることで神経が圧迫され、これらの症状が引き起こされます。
腰部脊柱管狭窄症の主な原因は何ですか?
加齢に伴う椎間板の変性や骨棘の形成が主な原因です。椎間板の高さが低下したり、骨棘が脊柱管内に突出することで、脊柱管が狭くなり神経が圧迫されます。
腰部脊柱管狭窄症の治療法にはどのようなものがありますか?
保存療法として薬物療法、理学療法、装具療法などがあり、症状の改善が期待できます。しかし、症状が改善しない重症例では手術療法が選択されます。手術には除圧術、固定術、人工椎間板置換術などがあります。
湿布薬はどのように腰部脊柱管狭窄症の治療に役立つのでしょうか?
湿布薬には鎮痛効果、抗炎症作用、血行促進作用があり、症状を一時的に和らげることができます。内服薬と併用することで、より良好な効果が期待できます。また、適切な部位に貼付することが重要です。
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